さくらの将棋研究室

ただの将棋好きが将棋のことをダラダラと書くブログです。

詰将棋創作超入門 ~駒を捨てる3手詰を作ってみよう②~

前回に引き続き、今回も詰将棋の創作方法について書いていきたいと思います。

sakura-gogogo.hatenablog.com

 

 

STEP1:詰め上がり図を作る

前回と同様に詰め上がり図を作るところから始めます。

手順は前回と同じく下記の通りです。

  1) 王手をする駒を決める

  2) 玉の位置を決める

  3) 王手をした局面を作る

  4) 玉に逃げられないように駒を配置する

1) 王手をする駒を決める

今回は銀で王手をして詰みにする問題にします。

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2) 玉の位置を決める

前回は△5一玉と居玉からスタートしましたが、今回は詰みやすくするために△1二玉と最初から玉を盤の端に寄せておきます。

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3) 王手をした局面を作る

 △1二玉に対して銀で王手をできるのは2一・2三・1三の三箇所です。

今回は▲2一銀と玉の斜め後ろから王手をしてみます。

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4) 玉に逃げられないように駒を配置する

 △1二玉に対して▲2一銀と王手をしています。

玉はどこに逃げられるでしょうか?

単純に逃げる手としては△1一玉・△1三玉・△2二玉・△2三玉があり、王手をしている銀を取る△2一玉もあります。

まずは▲2一銀が取られないように2一の地点に利かして駒を配置してみましょう。

例えば▲3二金とすればどうでしょうか。

△2二玉と逃げる手も防いでいるので一石二鳥です。

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あとは△1一玉・△1三玉・△2三玉と逃げる手も防ぐ必要があります。

単純に△1一香・△1三歩・△2三歩と玉方に障害物として駒を配置することで解決してみます。

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STEP2:1手詰を作る

STEP1で詰め上がり図を作ったら、これを1手詰の局面にします。

つまり、王手がかかっていない1手前の状態にします。

▲2一銀と王手をしているので、2一の銀を王手がかかっていないどこかへ移動させる必要があります。

前回と同様に2通りの方法がありそうです。

  1) 王手をかけている駒を持ち駒にする

  2) 盤上で王手がかからない位置に駒を戻す

前回は「1) 王手をかけている駒を持ち駒にする」という操作して作ったので、今回は「2) 盤上で王手がかからない位置に駒を戻す」という操作して作りたいと思います。

次の手で▲2一銀と移動させるためには▲2二銀と配置するしかありません。

下記の局面で▲2一銀不成と銀を移動させれば詰むことを確認してください。

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STEP3:1手詰を詰まないように手を加える

STEP2で作った1手詰に手を加えて詰まないようにしてみます。

前回と同様に玉を移動させて詰まないようにしようとしても、玉はこれ以上動くことができません。

従って、

  1) 玉方に駒を配置して王手をしている攻め方の駒を取れるようにする

  2) 玉方の駒を除去して玉の逃げ道を確保する

のいずれかの方法になりそうです。

今回は「2) 玉方の駒を除去して玉の逃げ道を確保する」という操作をして詰まないようにしてみます。

具体的には△1三歩を除去します。

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これで▲2一銀不成のときに△1三玉と逃げだして詰まなくなります。

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STEP4:退路を封鎖する方法を考える

何とかして1三に玉方の駒を出現させられれば▲2一銀で詰ますことができます。

今回思い付いた方法は下記の2つです。

  1) 1三に合駒をさせる

  2) 捨て駒をして玉方の駒を1三に移動させる

今回は「2) 捨て駒をして玉方の駒を1三に移動させる」方針で作っていきます。

盤上に配置した玉方の駒が1三に移動できなければいけないので、候補となる駒を考えていきます。

歩はどうでしょう。

歩は前に1マスしか進めず、△1三歩から戻そうとしても△1二玉が邪魔をしていて戻れません。

香車も前にしか進めないので、歩と同様にダメです。

桂馬は△1三桂と配置すると△2一桂と1手戻すことができます。

銀は△1三銀と配置すると△2四銀と1手戻すことができます。

金は△1三金と配置すると△1四金と1手戻すことができます。

角は△1三角と配置すると△2四角や△3五角などと1手戻すことができます。

飛車は△1三飛と配置すると△1四飛や△1五飛などと1手戻すことができます。

従って、候補となる駒は桂馬・銀・金・角・飛車です。

今回は桂馬を△2一桂と配置し、捨て駒をして△1三桂と移動してもらうことにします。

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STEP5:退路を封鎖するための捨て駒を選ぶ

攻め方は1三に捨て駒をして△1三桂と取ってもらう必要があります。

1三に捨てる駒の候補は何があるでしょうか?

△1二玉に対して王手でなければならないので、角や桂馬といった前に利きのない駒はダメです。

従って、捨て駒の候補は歩・香車・銀・金・飛車となります。

とりあえず▲1三金と金を捨ててみることにします。

△1三同桂と取ってくれるでしょうか?

これは都合良く▲2二銀のおかげで△1三同桂と取るしかありません。

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STEP6:1手戻した局面が想定通り詰むか確認する

STEP5で作成した局面に対して、STEP2で行ったのと同様の操作をして1手戻して3手詰を作ります。

▲1三金を持ち駒にするか盤上から動かすかのどちらかになりますが、今回は金を持ち駒にしてみましょう。

下記の局面が▲1三金△同桂▲2一銀不成の手順で駒余りがなく詰むことを確認してください。

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STEP7:余詰めがないか確認する

それでは作った問題に余詰めがないか確認しましょう。

余詰め、つまり想定した手順(作意手順)以外の攻め手で詰む手順はあるでしょうか?

一見余詰めはなさそうですし、脊尾詰で確認しても余詰めは見つけられませんでした。

というわけで、3手詰の完成です!

想定した手順(作意手順)は▲1三金△同桂▲2一銀不成です。

 

STEP8:手数を伸ばして5手詰にする

STEP7まででとりあえず3手詰はできました。

ただ少し簡単すぎるでしょうか?

今回は3手詰を工夫するというより、手数を伸ばして5手詰にすることを考えてみましょう。

1手詰から3手詰にしたときと同じように考えていけば5手詰を作ることができます。

STEP3と同様に3手詰を詰まないように手を加えます。

相変わらず玉はこれ以上動けないので、詰まないようにするにはやはり

  1) 玉方に駒を配置して王手をしている攻め方の駒を取れるようにする

  2) 玉方の駒を除去して玉の逃げ道を確保する

のいずれかの方法になりそうです。

1手詰から3手詰にしたときと同様に「2) 玉方の駒を除去して玉の逃げ道を確保する」という方針で手数を伸ばしていきます。

▲1三金△同桂▲2一銀不成の局面で、手順に登場する△2一桂を除けば△1一香と△2三歩が玉の逃げ道を塞ぐ障害物となっています。

今回は△2三歩を除去してみます。

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これで▲1三金△同桂▲2一銀不成と進めたときに、△2三玉と逃げることができるので詰みません。

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何とかして2三に玉方の駒を出現させられれば、▲1三金△同桂▲2一銀不成の手順で詰ますことができます。

STEP4と同様に考えていくと、

  1) 2三に合駒をさせる

  2) 捨て駒をして玉方の駒を2三に移動させる

のいずれかになりそうです。

今度は「1) 2三に合駒をさせる」方針で作っていきましょう。

合駒をしてもらうには香車・飛車・角といった遠くまで利きが及ぶ駒で王手をしないと起こり得ません。

△1二玉に対して王手をして2三に合駒をしてもらうには角を使うしかありません。

試しに▲3四角と設置してみましょう。

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△2三歩などと合駒をしてくれるでしょうか?

玉の逃げ道もありませんし、これは2三に合駒をするしかなさそうです。

では1手戻してみましょう。

角を手持ちにするか、盤上から動かすか、どちらにしましょうか。

とりあえず次に▲3四角と移動できるように▲4三角と設置してみます。

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ここで、角を4三から3四に移動させるときに成か不成かの選択肢があり、余詰めのように見えますが、どちらを選んでも詰み手順に影響しない場合は余詰めと見なされません。

ただ、作意手順が▲3四角成・▲3四角不成のどちらかに定まらない状態(成不成非限定)は、詰将棋を作品として見たときに評価が下がります。

従って、▲4三角ではなく▲4三馬と最初から角を成っておく方がこの場合は無難でしょう。

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さぁ、余詰めはあるでしょうか?

作意手順は▲3四馬△2三歩▲1三金△同桂▲2一銀不成ですが、実は▲1三金△同桂▲3四馬△2三歩▲2一銀不成という手順前後で詰む順があるのに気付けたでしょうか?

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初手▲1三金からの手順を消すためには、初手▲1三金としたときに△同桂以外の応手で王手を逃れて詰まなく必要があります。

そこで、△1三同桂とさせる捨て駒を金ではなく歩に変更して、△2三玉から逃げられるようにしてみます。

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初手▲1三歩としたら玉は詰むでしょうか?

これは△2三玉から逃げて詰まなそうです。

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それでは、持ち駒を金から歩に変更した局面で余詰めを確認します。

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これは余詰めがなさそうで、もちろん駒余りもありません。

脊尾詰で確認しても余詰めはないとの結果だったので、概ね問題はなさそうです。

ということで、遂に5手詰が完成しました!

作意手順は▲3四馬△2三歩▲1三歩△同桂▲2一銀不成です。

▲3四馬に△2三金と合駒をしても、▲1三歩に対して馬の利きで△同金とは取れないので、▲3四馬には何を合駒しても作意手順で詰みます(非限定合)。

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