さくらの将棋研究室

ただの将棋好きが将棋のことをダラダラと書くブログです。

詰将棋創作超入門 ~駒を捨てる5手詰を作ってみよう~

本記事では「詰将棋創作超入門」と題して、詰将棋を作ったことない人のために詰将棋の創作方法を書いていきたいと思います。

 

第 1 回 詰将棋創作超入門 ~駒を捨てる3手詰を作ってみよう①~

sakura-gogogo.hatenablog.com

 

第 2 回 詰将棋創作超入門 ~駒を捨てる3手詰を作ってみよう②~

sakura-gogogo.hatenablog.com

 

私自身が詰将棋創作の経験が豊富なわけではありませんが、それでも本記事が詰将棋創作を始めるきっかけになれば幸いです。

また、本記事に記載されている表現が厳密な詰将棋のルールと若干相違がある場合がありますが、分かりやすい説明を心掛けた結果ですので、ある程度目を瞑っていただければと思います。

 

 

STEP1:3手詰を作る

まずは3手詰を作りましょう。

3手詰の作り方が分からない人は第1回と第2回の記事を読んでください。

今回私が用意した3手詰は下図の通りです。

( 作者不明 近代将棋 1971年4月 )

作意手順は▲3一角△2三玉▲2二角成までです。

2手目△1二玉にも▲2二角成までで、これも正解です。

2手目△2二香などの合駒は▲同角成と合駒をすぐに取られて詰むので無駄合です。

 

STEP2:3手詰を詰まないように手を加える

STEP1で作った3手詰に手を加えて詰まないようにしてみます。

この局面で詰まないようにするには例えば下記の方法が考えられます。

  1) 玉を移動させる

  2) 玉方に守備駒を配置する

  3) 玉の逃げ道を確保する

今回は「 1) 玉を移動させる 」という操作をして詰まないようにしてみます。

具体的には玉方の1三玉を1二玉に移動させます。

この局面が詰まないことを確認してください。

 

STEP3:詰むように手を加える

ここから詰むように手を加えて手数を延ばしていきます。

どうすれば詰むでしょうか?

玉方の1三玉を1二玉と移動させて詰まなくしたので、その逆のことが実現できればいいわけです。

つまり、何らかの方法で1二玉を1三玉と移動させられればいいのです。

例えば、▲1三金と捨て駒をするのはどうでしょうか。

△1三同玉と取ってくれれば3手詰の局面に合流します。

▲1三金に△同玉と取ってくれるでしょうか。

▲1三金に対する応手は△同玉の他に△1一玉があります。

しかし、△1一玉には▲2二金上として持ち駒の角が余る上に早く詰みます。

従って、 ▲1三金には△同玉とする他なさそうで、作意手順が成立しそうです。

 

STEP4:1手戻して5手詰にする

STEP3で作成した下図の局面を1手戻して5手詰にします。

つまり、王手がかかっていない1手前の状態にします。

今回は▲1三金と王手をしているので、1三金を王手がかかっていないどこかへ移動させる必要があります。

方法としては下記の2通りです。

  1) 王手をしている駒を持ち駒にする

  2) 盤上で王手がかからない位置に駒を戻す

ただ、「 2) 盤上で王手がかからない位置に駒を戻す 」という方法は今回は無理なことが分かるでしょうか。

1三に金を移動させるには2三に配置するしかありませんが、残念ながら王手が外れていません。

従って、今回は「 1) 王手をしている駒を持ち駒にする 」という方法にせざるを得ません。

作意手順は▲1三金△同玉▲3一角△2三玉▲2二角成ですが成立しているでしょうか。

2手目△1一玉は▲2二金上までで早詰みです。 

4手目△1二玉も▲2二角成までで詰みです。

4手目△2二香などの合駒は▲同角成と合駒をすぐに取られて詰むので無駄合です。

どうやら作意手順は成立してそうです。

 

STEP5:余詰めがないか確認する

5手詰ができたと喜ぶにはまだ早いです。

作った問題に余詰めがないか確認してください。

どうやら初手は▲1三金以外に▲2一角からも詰んでしまうようです。

以下、△1三玉▲1二金△2三玉▲2二金右△1三玉▲1二角成までです。

2手目△1一玉は▲1二金まで、2手目△2三玉は▲2二金打△1三玉▲1二角成までです。

つまり、初手に▲1三金と▲2一角の2通りの攻め手があるため、残念ながらこれは余詰めのある問題です。

 

STEP6:余詰めをなくすように手を加える

初手▲2一角で詰まないようにするためにはどうしたらいいでしょうか。

例えば、玉方に1一金と追加配置するのはどうでしょう。

2一の地点に玉方の駒が利いているので、初手▲2一角には△同金と取って詰まなくなります。

ただ、問題は作意手順で詰むのかどうかです。

実は作意手順の▲1三金△同玉▲3一角のときに△2二香などと合駒をされて詰まなくなっています。

玉方に1一金を追加配置して2一の地点に利かせて余詰め手順を消したところまではよかったのですが、2二の地点にも利いているために作意手順も成立しなくなってしまったのです。

 

では余詰めを消す別の方法を考えてみましょう。

2二の地点には利きがなく、2一の地点だけに利かす駒はないでしょうか。

例えば、玉方に1一飛を追加配置してみます。

実はこれも作意手順が成立しなくなっています。

作意手順の▲1三金△同玉▲3一角のときに△同飛と取られてしまいます。

玉方の1一飛が2一だけでなく3一にも利いてしまっているためです。

3手目に▲3一角とせず代えて▲2二角とすれば、以下△1二玉▲1一角成△同玉▲2一飛△1二玉▲2二飛成までで詰むのですが、これは想定外の手順です。

どうやら初手▲2一角の手を単純に防ごうとするのは難しそうです。

 

もう一度余詰め手順を見直してみましょう。

手順は初手▲2一角に△1三玉▲1二金△2三玉▲2二金右△1三玉▲1二角成です。

2手目△1一玉は▲1二金まで、2手目△2三玉は▲2二金打△1三玉▲1二角成までです。

ここは初手▲2一角の手を防ごうとするのに拘らず、別の手を防いでみる方針はどうでしょう。

例えば、3手目の▲1二金の手を防ぐような駒配置がないか考えてみます。

玉方に1一香と追加配置するのはどうでしょう。

これで▲2一角△1三玉▲1二金のときに△同香と取って詰まなくなります。

玉方の1一香は2二や3一の地点への利きもないため、作意手順も成立していそうです。

新たな余詰めも生じてなさそうです。

さぁ、確認してみましょう。

作意手順は▲1三金△同玉▲3一角△2三玉▲2二角成です。

4手目△1二玉も▲2二角成までで詰みです。

4手目△2香歩などの合駒は▲同角成と合駒をすぐに取られて詰むので無駄合です。

余詰めや駒余りもありません。

これで5手詰の完成です。

 

STEP7:誰かに出題してみる

ここまで読んでくれた人の中には、「誰かに解いてもらいたい」と思った人もいるかもしれません。

詰将棋創作超入門」の講座では余詰めや駒余りに焦点を当てましたが、実は他にも創作する側が守るべきルールがあります。

また、他の人が同じ詰将棋を作っていないか、つまり同一作の有無も確認が必要です。

詳しくは下記の記事に書いていますのでご覧ください。

sakura-gogogo.hatenablog.com

他人から見て良い詰将棋かどうかは別として、詰将棋として何ら問題ない完全作を作って出題できるようになれれば、あなたは立派な詰将棋作家です。